2023-04-11

1本で味が決まる。これを使えば劇的においしくなる。

そんな醤油を紹介したいと思います。

「そんなのある〜?」と半信半疑なお気持ちもわかります。
が、わが家では本当にそう実感していて、何年も同じ醤油を切らすことなく買い続けています。

あまりにおいしいので、料理教室にいらした方には、その日教えるメニューとは関係ないのに「この醤油、ちょっと味見して!」とお豆腐にかけて出してみたり。
友達への手土産に、「お菓子」+「関係ないけどこの醤油も」と持参したり。

で、一度この醤油を知った人はほぼ確実に、リピ買いしてますね。
私はいつも「だよね♡だよね♡」とガッツポーズなわけです。
おいしいものを分かち合えるのってホント幸せです。

このあたりで、一度その醤油の名前を明かしておきましょっか。
実際の使い方なども後ほどご紹介しますね!

鹿児島の人なら誰もが知ってる「かねよ」のお醤油、その名も「母ゆずり」。

「醤油は西へ行くほど甘くなる」と言われますが、母ゆずりは甘め醤油の中でぴかいちおいしい。
原料が最高級とか製法が唯一無二とかではないんですよ。
なんといいましょうか、「お母さんがいつも使ってる、あの味」的な、安さと間違いないおいしさを兼ね備えたお醤油なんです。

「甘い」だけではなくて、「旨み」を感じるので、本当にこれ1本で味が決まっちゃう。
何年も使っていますが、いつも「すごいなぁ」と感心しますね。

鹿児島の物産館などでも買えますが、なかなか行けないので、最近はもっぱらAmazonで。
送料とのバランスを考慮すると、3本まとめ買いするのがお得です。
楽天なども見ましたが、現時点ではこれ↓が最安ですね。

3本届いたら、2本は常備スペースに入れておきます。が、わりとすぐに使ってしまいます。


Amazonの評価にも

「20年前 鹿児島の友人からいただき それから我が家はこの醤油オンリー!
刺身、お寿司はもちろんのこと 醤油を使う料理はこれじゃないと なにか物足りない!になります」
「九州味の醤油を求めて、やっと辿り着いた醤油です」
「煮物などで使用しています。みりんもあまり使用せずいい味が決まります。
照り焼きなどはこれ一本で味が決まり、とても便利です。」

などなど、頷いてしまう高評価がずらり。

「私は他の醤油は食べられません。
ずっと 母ゆずり濃い口を使ってます!」
↑これ「あれ?私が書いた?」と思ってしまったくらい、激しく同意。

とはいえ、母ゆずりだけですべての「醤油」をまかなっているわけでもありません。
基本的な味付けはほぼ「母ゆずり」だけど、「きりっとした醤油感がほしい」というときは関東の濃口醤油を使います。
そこはほら、使い分けです。


たとえばですけど、塩とかオイルとかを使い分けてる人ってけっこういますよね。
わが家も、塩は粗めの岩塩、細かめの海塩、ハーブ塩、お土産でもらったちょっといい塩などなど、いくつか使い分けてるし、油はオリーブ、米、ごま、グレープシードの4種を、酢は米、アップルサイダー、バルサミコの3種を常備しています。

醤油だって、料理に合わせて使い分けすることで、手間は一緒なのに俄然味が変わってきますから。

実際問題として、一般的なレシピだと「醤油」としか書いてないですが、そこで「鹿児島の甘い醤油」を使うか「関東の一般的な醤油」を使うかで、仕上がりは全く違ってくるんです。

なので、私の料理教室では、単に「醤油」と書くことはほぼなくて、九州の甘い醤油がいいのか、普通の濃口がいいのか、はたまた中華の老抽なのか、明確にしてお教えしています。
もちろん味見もしてもらうし、どこで買うのがお得か?にも言及します。

そこを省いてしまうと、「料理教室で習ったのに、家で作ったら違う味になっちゃったよ」ってことになりますから。

さて、ここで再度、「母ゆずり」の魅力/使い方をあらためてご紹介したいと思います!

●牛肉のマリネ

牛の赤身をかたまり肉で買ってきて、すぐできちゃう。そしてめっちゃおいしい一品です。

ちなみに、
DHCの「オリーブオイルを使った料理コンテスト」でグランプリをいただいたやつです。

フライパンにオリーブオイル少々を熱して牛肉の表面を焼きます。
※表と裏だけでなく側面も。色が変わればOKなので、焼きすぎに注意!
ななめにスライスしたら軽く塩・胡椒。はい、もうお皿に並べてオッケー。

オリーブオイルとお醤油たっぷり。
バルサミコ酢とはちみつを加えてもいいんですけど、「母ゆずり」だけで十分おいしい♡
いやはや、最高の前菜です。

●牛さし

牛肉をもう1品。
これはもっとストレートに醤油のうまさが堪能できます。
マリネと同様、表面(4面すべて)を焼いた、中身レアレアの牛肉。美しい〜♡

これをすすっと薄切りにしたら、「母ゆずり」とわさびを添えて食卓へ。
これがもう、、、言葉を失う絶品っぷり。

魚の刺し身ももちろんそうなんですけど、これを「普通の濃口醤油」でやったら、たぶん息子は食べません。

ていうか、私と夫も猛抗議ですねw



丑年の幕開けにつくった「赤べこ押し寿司」にも、もちろん「母ゆずり」を添えていただきます。
目玉がマヨネーズになってて、醤油と合いますよ、これw


●3日間漬け込む絶品唐揚げ

最近「何が食べたい?」と聞くと中学生の息子は必ず「唐揚げ」と答えます。

もともとは「揚げ物大好き」というタイプではありません。
食も細いほうかな?

でも、「母ゆずり」としょうが・にんにく〈どちらもチューブでオッケー〉たっぷりと、香り付けの紹興酒を入れて3日以上漬け込んでおく「わが家流唐揚げ」を確立してからは、とにもかくにも唐揚げを所望するように。

近所のスーパーでもも肉はいつも100g138円なんですけど、これがたまに100g93円とかになるんです。
そうなったら4枚以上買ってきて、まとめて下味。

だから、息子が食べたいタイミングというより、スーパーで底値になったら漬けるって感じ。
買ってきてから揚げるまでに3日は置くので、まさに「待望の」ですね。

なんなら1週間置いてもオッケーです。

でもこれ、普通の醤油だとどうしても塩味が強すぎて、下味つけて置きすぎると、「入れ過ぎちゃった!」「時間置きすぎちゃった!」ってなることも。


その点、「母ゆずり」は多少多く入れても、漬け込み期間が長くても、おいしさが増すだけで、「しょっぱい」ということにはならないんです。

そういう意味でも、味のベースづくりに向いています。

もちろん、仕上げのかけ醤油にも。



ほかにも、炊き込みご飯とか郷土料理とか、いっろいろ使ってます。

キハダまぐろを「母ゆずり」とごま油で漬けにしておき、うすぎりのアボカドと一緒に丼にするやつもお気に入りです。
もみのりと煎りごまをかけるのもお忘れなく。

**

一家に1本、「母ゆずり」。
しつこいようですが(笑)、心の底からおすすめします。

2022-07-15

作りたくて泣いちゃったあの子のためにレシピ公開♡

渋谷区の子ども向け施設「景丘の家」で、あじさいゼリーを教えてきました。

景丘の家では季節感や日本の伝統行事を意識した素敵なフリープログラムをスタッフが考え、
子どもたちと一緒に楽しんでいます。
私はお菓子や軽食を一緒に作ったり、編み物を教えたり、こども食堂をお手伝いしたり。
いつも楽しく子どもたちと触れあっています。

2022年は梅雨があっという間に開けてしまいましたが、
6月の景丘で「自然の色で作るあじさいゼリー」を企画・実施しました。

ぷるるんと涼しげで、梅雨でも真夏でも楽しんでいただけるスイーツです。

当日は先着順。予定していた人数を上回る子が参加してくれました。

でも、ギリギリで参加できなかった女の子が思わず泣いてしまったり
(材料と人数の関係でどうしても対応できず・・・ごめんね!)
夏の間だけ一時帰国しているという海外在住の方から
「日程が合わず景丘には行けないのでレシピを教えていただけませんか」
とインスタ経由でご連絡をいただいたり。

見た目が美しいので、「作りたい」と思う子どもたちの気持ち、わかります!

みんなに教える前に試作を繰り返して、あじさいゼリーの部分だけでなく
土台になるブランマンジェもとろ〜りなめらかに仕上げました。

見てかわいい、食べておいしい、しかも手軽に作れるのがポイントなんです♡


美しいブルーを作り出すバタフライピー

このスイーツの最大の特徴は、美しい色のゼリー。
参加した子どもたちから「うっわ〜!きれいすぎる♡」と歓声があがり、
見守るママからも「自然の色だなんて、すごい」と驚嘆されたバタフライピーです。

普通に煮出すと透明感のあるブルー、レモンやライムを絞り入れると
むらさき色に変化するんです!

右がレモンを加えたほう。果肉もおいしいのであえて入れてます。

バタフライピーとは
東南アジアでよく見かけるマメ科のツル性ハーブ。
ツユクサのような濃い青い花が咲くのですが、その様子が小さな蝶々のようなので
この名前がついたようです。
アントシアニンが豊富で、煮出すと透明感のあるブルーになります。

カルディでも売っていますが、Amazonで買うとたくさん入っていてお得。
「まずはお試ししたい」という方は10包入りをどうぞ。

私は子どもたちや料理教室で教えたりもするのでさらにお得なのを買っています。
バタフライピー単独だとそのまま飲んでもあまりおいしくないので、
ハーブティーとしても楽しみたいときはブレンドタイプがおすすめです。

実験系スイーツにいろいろ使えるので、たくさんあると重宝しますよ。
美容にもいいので、夏の常備ドリンクにも◎

ガラス瓶8個分のあじさいゼリーレシピ

<用意するもの>
・ガラス容器(グラスで作ってもOK。蓋付きなら手土産やプレゼントにも◎)
※私はセリアの蓋付きガラス容器を使っています

=ブランマンジェ用=
・アーモンドミルク(無糖)400ml
・生クリーム 160ml
・グラニュー糖 80g
・粉ゼラチン 6g

甘味の入った「オリジナル」を使う場合はグラニュー糖を加えないで作るか、
もしくは味見しながら砂糖の量を減らしてくださいね!

=あじさいゼリー用=
・バタフライピー ティーバッグ1袋
・水400cc
・グラニュー糖 40g
・粉ゼラチン 10g
・レモン 1/2個分の搾り汁(ライム汁でもOK)
※酸味がきいているのが好きな方はお好みで増やしてくださいね!

まずはブランマンジェを作ります。
1)アーモンドミルクとグラニュー糖を小鍋に入れ、沸騰しないように温めながら砂糖を溶かす。
2)火を止め、粉ゼラチンを入れて泡立て器でしっかり溶かす。溶けたら生クリームも加える。
3)氷水の入ったボウルにつけながら、泡立て器で軽く混ぜながら粗熱をとる。
(3の行程を行うことで、早く固まります)
4)型の6〜7割ほど流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。

続いて、あじさいゼリーを作ります。
5)水を小鍋で沸かし、バタフライピーを煮出す。グラニュー糖をも加えて溶かす。
6)好みの色合いになったら火からおろしてティーバッグを取りだし、粉ゼラチンを加えて混ぜる。
7)先ほどと同様、氷水の入ったボウルにつけながら、泡立て器で軽く混ぜながら粗熱をとる。
8)2つのバットに半量ずつ入れ、片方のバットにのみレモン汁を絞り入れる。
(果肉もおいしいのでそのまま入れちゃって大丈夫です)
9)冷蔵庫で冷やし固め、ナイフで小さなスクエア型にカットするか、フォークで細かくする。
10)ブランマンジェが固まっているか確認し、その上に青と紫のゼリーを好みで盛り付ける。

小さめの四角にするとあじさいっぽい!
ゼリーだけでもおいしいよ♡

ブランマンジェはとろ〜りなめらか、あじさいゼリーはちょっぴりかため。
この食感は粉ゼラチンの量で調節します。
私は今回ご紹介したレシピの割合が好きですが、お好みで変えてみてください。

景丘の家で作れなかったあの子もこの子も、ぜひおうちで作ってみてね♡

2020-05-04

■友人の竹林で「たけのこ掘り」

田舎の盆地で生まれ育った私にとって、「春のたけのこ掘り」は毎年当たり前に繰り返す日常のひとつでした。中学生ぐらいになると掘るのには飽きて、食べるだけでいいのに!と思ったりもしましたが。

息子はたけのこ掘り未経験。「ボクもやってみたーい!」と小さい頃から所望していましたがなかなかチャンスがなく。昨年から、知人の竹林にてたけのこを掘らせてもらえることになりました。

竹林の持ち主いわく、去年はたけのこが不作だったそうですが、今年は豊作とのこと。

2回目となる今年は、去年の経験があるし、本人的にも体力・筋力がついてきたので、大きなたけのこをたくさん収穫!

名人の指南で、先端だけが顔を出している状態から掘り始め。おかげでこんなに立派なたけのこもえぐみなし。それにしても、よくひとりで掘れましたっ◎
たけのこ料理に欠かせない山椒の葉も取らせていただきました!

■下茹でしてアクを取ったら、まずはわさび醤油でお刺身を

せっかくの掘りたても、放っておくとたちまちえぐみが増えてしまいます。一刻も早く下茹でせねば! わが家にある大きい鍋3つを総動員し、米ひとつかみ(米ぬかの代わり)とタカの爪も加えて、水から加熱。沸騰したら弱火にして1.5〜2時間茹で、たけのこがやわらかくなったら火を止めて、そのまま冷めるまで放置します。

そ・し・て!

まずはお刺身。わさび醤油でシンプルに味わいます。えぐみなんて全くなく、ほんのり甘くておいし〜い! さすが掘りたて!!

本当は『美味しんぼ』で観たように、下茹でもしないそのまんまの状態で味わいたいところですが、そこまでやるにはまだ地面から顔を出していないたけのこを掘り当てて、竹林で速攻食べるくらいでないとやはりえぐみが・・・(私が小さい頃、ばあちゃんや両親はそんな風にして食べていたそうです)。

わが家で愛用している、甘めの鹿児島醤油がお刺身にぴったり!

でも、下茹でしただけでそのまんま食べられるだけでかなりの贅沢。自分で掘らない限りなかなか味わえないおいしさです。

■揚げたそばからつまみ食いが止まらない「磯辺揚げ」

天ぷら粉に粉末の青のりを混ぜるだけなのでとても簡単なのですが、
揚げたてがたまらなくおいしくて、つまみ食いが止まりません!

ナポリでは、ピッツァの生地で魚介をフリットにしたものがストリートフードとして大人気で、みんな気軽に食べ歩いています。

同様にピッツァ生地を使った定番おつまみとして「ゼッポリーネ」があります。何かの具を包むわけではなく、ピザ生地(強力粉+薄力粉、ドライイースト、塩)に生の岩のりを混ぜて発酵させたものを丸め、カリッと揚げたシンプルなもの。青のりの香りと生地の食感、ほどよい塩気がクセになるおいしさで、私の大好物なんです。

そのゼッポリーネをたけのこの天ぷらにも応用。平たくいえば「磯辺揚げ」ですけどねw 
ナポリにも同じような「青のりの揚げ物」があるなんて面白いですよね。
イタリア人にもたけのこの磯辺揚げ、食べさせてあげたい!

生地を一から作るのは大変なので(あのガリッとした生地でたけのこを揚げるのも絶対おいしいと思うんだけど)、市販の天ぷら粉に粉末の青のりを加えて使用。
サクッと揚がったら塩を振りかけていただきます。簡単めちゃ旨っ!

思い返せばこの食べ方、実家の母がたけのこの季節によくやってくれたんです。
わが家は兄弟そろって「磯辺揚げ」が大好きだったので。

■イタリア人にも食べさせたい!バター醤油たけのこペンネ

こちらも「イタリア人に食べさせてあげたい」シリーズ。つまり、それくらいおいしいんです♥︎

たけのこ掘り初挑戦だった昨年、息子が自分で味付けして完成させたバター醤油のたけのこペンネ。これがびっくりするほどおいしくて、きっと今後も毎年必ず作る定番パスタになりそうです。

詳しいレシピはこちらからどうぞ。

■パルミジャーノとイタパセを散らしたたけのこのリゾット

もうひとつイタリア風のリゾットも。ペンネとほぼ同じ材料でできます。


「たけのこリゾット」はこちらのレシピもチェックしてみてください。

■「たけのこご飯」がやっぱり最高!

具は、にんじん、油揚げ、鶏もも肉、たけのこです。ダシと醤油で炊いています。いつもの炊き込みには干し椎茸も入れますが、たけのこのときは入れません。

パスタもリゾットも絶品に違いないのですが、やっぱりねぇ、一種のノスタルジーなんでしょうか、たけのこご飯は一枚も二枚も上手。

今回は大きめにたけのこを切って存在感を楽しみましたが、おにぎりなんかはもう少し小さめに切るとまとまりやすいです。
お味噌汁でもそえれば、すでにご馳走。
醤油をまわしかけながら焼きおにぎり!も最高ですよね。

田舎育ちの私にとっての「春」といえば、つくし、ぜんまい、蕗、たけのこなど、毎日おばあちゃんと一緒に、それこそイヤになるくらいに(笑)、裏山の身近な恵みを収穫していたものです。山菜や蕗はどうも苦手だったけど、今食べると「今だけ」のありがたさと、苦み走った独特のおいしさを感じますね。

おばあちゃんがよく「大人になったらねぇ、こういうのもおいしゅう感じるんよ。いまは苦いじゃろうけどねぇ」と言っていたけれど、本当じゃねぇおばあちゃん、と思います。

でも、子どもの頃からたけのこだけは好きじゃったよっ! とくにたけのこご飯ね。うん、これはもう、日本人みんなのノスタルジーなんでしょうね。

2020-04-26

なにかと忙しい朝、朝食は基本的にパン派です。
中でもスーパーで普通に買えて重宝するのがマフィンと食パン。

マフィンはパスコの「超熟イングリッシュマフィン」
食パンは同じくパスコの「超熟」、もしくは、近所のスーパー「ライフ」の高級系食パン(といっても安い)を愛用しています。

マフィンも食パンも、焼いてバターを塗るだけでおいしいですが、アレンジしやすいのもポイントですよね。

まずはマフィンの使い方をご紹介したいと思います!

※「エッグ・ベネディクト カルボナーラ仕立て」のレシピだけ見たい!という方は、こちらをご覧ください。

■こんがり焼いたマフィンがあれば。

両面をこんがり焼いて、卵(目玉焼きかスクランブルエッグ)とベーコン(or「香薫」ソーセージ)、プチトマトなどを添えるのがいつもの朝のワンプレート。

ひとつの鉄鍋でマフィン→ベーコン→スクランブルエッグの順に焼いています。スクランブルエッグを焼く頃には鉄鍋が温まっているので、味付けした卵液をジャッと流し入れてすぐ火を止め、何度かフライ返しでざざっと混ぜたらできあがり。とろっとろに仕上げます♥︎

マフィンといえば、当たり前だけど「2つにわかれている」のが大きな魅力!
おかげでサンドしやすいし、半分にはソーセージ、もう半分は卵で・・・など別の楽しみ方もできます。

上の写真では卵とベーコンをあらかじめサンドしていますが、息子は「自分ではさみたい!」と所望。卵だけ、ベーコンだけ、ソーセージだけなどそれぞれに楽しんだり、好きなタイミングでサンドするのが楽しいようです。

スクランブルエッグの代わりに半熟の目玉焼きを添えると、カリカリの白身部分だけ先に食べ、とろっとろの黄味とベーコンをサンドして、口周りや両手を卵でべとべとにしながら「ワイルドでしょ?」なんて言いながら食べてます。

クリームシチューやスープに添えるのもマフィン

スープのお供としても優秀です。
昨夜の残りのシチューでも、粉末のコーンスープでもいいんです。
こんがり焼いたマフィンがあれば、子どもの食も進みます♥︎

わが家の定番クリームシチュー。玉ねぎ、にんじん、ポテトにチキン。そのほか、ブロッコリーも加えてクタクタに煮込んだり、アスパラを添えたり。春先は私の実家から届く山口県オリジナルの野菜「ハナッコリー」も散らします。ハナッコリー、クセがなくて生でもおいしいんです!

バゲットも大好きなのですが、クリーム系のスープやシチューには断然マフィン。ホントよく合います。

■休日の朝はひと手間かけてエッグ・ベネディクト

そして、マフィンといえば、エッグ・ベネディクトです。

1.オランデーズソースをつくる
2.ポーチドエッグをつくる
3.イングリッシュ・マフィン(半分)を焼く
4.ハムかベーコンを焼く
5.盛り付ける

というシンプルなつくり方です。

ポーチドエッグは低温調理器「anova」で10個くらいまとめて作っています。
ポーチドエッグを冷蔵庫に常備しておくと本当に便利!
そのレシピも後日ご紹介しますが、めっちゃ簡単で失敗知らずです。

■でもじつは、オランデーズソースが苦手・・・

オランデーズソースは、バターとレモン汁を卵黄と混ぜて乳化させ、塩と黒コショウで風味付けしたフランスの定番ソースです。

簡単なのですが、どうもこのオランデーズソースが夫も私も苦手なんです。
昔カフェで流行したときに何度か食べましたが、「すっぱい!」という印象しかなく。

酸味をおさえればいいのかな、と夫が何度か作ってみましたが、がんばって作った割にやっぱり反応がイマイチなので(大人はまぁおいしく食べられますが、息子は無言・・・)、改良を試みることに。

■ソースをカルボナーラ風にしたら大好評!

たぶん、写真だけで美味しさが伝わっちゃってるはず(じゅるる♥︎)

作り方は普通のエッグベネディクトとほぼ同じですが、「オランデーズソースをつくる」の工程がなくなって、より簡単になります。

必須の材料は、パルミジャーノ・レッジャーノ(もしくはグラナ・パダーノ)とたっぷりの黒コショウです。
こんがり焼いたベーコン、黄味とろっとろのポーチドエッグと一緒に味わえば、まさしくカルボナーラ風!

絶対おいしいやつです、これ!!

本物のカルボナーラに敬意をこめて、ベーコンではなくパンチェッタの薄切りを使いたいところですが、ここはベーコンで十分です。
チーズも、本物のカルボナーラはペコリーノ・ロマーノですが、入手しやすいパルミジャーノ・レッジャーノでOKです。

※写真だけでも作り方は伝わるかと思いますが、さらに詳しいレシピはこちらにまとめています!

■次回は、朝食に欠かせないもうひとつの主役「食パン」登場

お楽しみに〜♥︎

2020-04-24

■ロールキャベツは苦手→作り方を変えてみよう

私も夫もロールキャベツは苦手で、家で作ったこともありませんでした。

「ベーコンは好き。でも煮込んでスープにすると味も香りも台なし!」
「肝心のキャベツや中の詰め物も、スープに旨みが溶け出してない?」

というのがその理由。

でもあるとき、美しきCavolo Verza(ちりめんキャベツ)を入手して何を作ろうかなと考えていて、「ニガテ意識を覆し、むしろ好物になるおいしいロールキャベツを作ってみよう!」と思ったのです。

ニガテ克服の鍵は、
1)イタリアのレシピを参考に詰め物を改良する!
2)煮込まずにオーブンで焼く!

この2点のおかげで、劇的にうんまいレシピが完成することになるのです。

完成したレシピはこちらからどうぞ!

■詰め物のポイントは豚肉とバスマティライス

詳しい作り方はレシピをご覧いただくとして。
とにかく独特なのは、中に詰めるものです。

今回は、「イタリア料理を参考に」と決めていたので、詰め物にはお肉だけでなくお米も混ぜています。
おいしいリゾットを作ってキャベツでくるむイメージです。

そしてお米の種類がこれたま重要。
ジャポニカ米ではなくイタリアの米に近いバスマティを使用しましたが、これが、いやもう圧倒的に、大・正・解!

このレシピのポイントはバスマティライスにあり!といってもいいくらいです。

ジャポニカ米が和食に欠かせないのは言うまでもありません。
お米だけで味わうと「日本の米って最高!」といつも思うのですが、リゾットにするにはやっぱりイタリアのRisoがベスト。
食感や味わいがまるで違います。

でもイタリアのお米を日本で買うとどうしても高くつくんですよね。

そこで、バスマティライスです。
イタリアでもバスマティライスは普通に売られていますし、性質的に似ています。

※バスマティは新大久保の「ナスコフードコート」なら1kg 500円程度!
ナショナル麻布でも売っていますしもちろんネットでも買えます。

バスマティが入手できないときはジャスミンライスでも代用可ですが、バスマティはインドカレーのお供にはもちろん、炒飯やリゾットにも抜群なので、ぜひ入手してみてください!

※バスマティライスについては別の記事でもご紹介予定です。
そのくらいおすすめしたい米なので、ホントに一度試してみていただきたい!

ロールキャベツは「焼き」に限ります!

そんなわけで完成した新型ロールキャベツ。

本当~~においしいので、ぜひぜひ作ってみてください!

レシピはこちらからどうぞ!

2020-01-20

■白い迷宮チステルニーノのお肉屋さん

イタリア南部・プーリア州には、白い迷宮のような素敵な街がたくさんあります。

たとえばここは、チステルニーノ。世界遺産のアルベロベッロからほど近い街ですが、あまり観光地化されていないのもここの魅力です。

どこを歩いても心浮き立つような、本当に素敵なかわいらしい街なのですが、じつはここ、“肉の街”でもあります。小さな街の中にお肉屋さんがいっぱい! その中のひとつに行ってみましょう。

■サルシッチャもボンベッテも、猪ラグーも絶品!

お肉屋さんはロスティッチェリア(あぶり焼き肉屋?)も兼ねていて、店頭で好きなお肉を選ぶと、それを店内で提供してくれます。

炙り焼きは炭火で焼くのが基本。肉の余分な脂肪を焼き落としながら香ばしくジューシーに仕上げてあります。香りも最高。ぐるぐる巻きのサルシッチャもボンベッテ(肉を肉で巻いた肉爆弾!この辺りの名物です)もおいしかったのなんの。とくにここのサルシッチャはすっごくおいしくて、たまりませんでしたっ!

そして、このお店のOrecchiette al Ragu di Cinghiale、オレキエッテの猪ラグーもとてもとてもおいしかったんです。

ゴロゴロ牛肉のラグーソース、レシピはこちらから!

■ラグーソースは牛・豚・猪・ウサギ・・・何でもあり!

フランス語のラグー ragoutは「煮込む」という意味。英語でいえばstew(シチュー)です。肉や魚などの食材をコトコト煮込んでつくればすべてラグー。ゴロッと贅沢に肉を味わう「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」などもragoutです。

イタリアのraguも語源は同じ。ですが、こっちはパスタにかけるソースを指します。

ラグーは牛肉や豚肉に限らず、サルシッチャでもウサギでも馬肉でも、さっきみたいな猪でもOK。牛と豚を両方入れてもいいし、魚介系ラグーもおいしいですよね。タコとかね。多様な郷土料理を有するイタリアらしく、その土地固有のラグーが全土で作られています。

写真のこちらは、アルベロベッロの名店「Il Poeta Contadino」で食べたFerrazzuoli pasta with rabbit bolognese(€18)。ウサギーのラグーです。フェラッツオーリというパスタはスパゲティが2本くっついたみたいな、真ん中に筋が入ったようなカタチ。このソースもとてもおいしかったです(トッピングされたウサギのお肉は息子に独り占めされましたw )

■プーリア名物・ブラチョーレ(肉巻き)のラグー

肉の種類が自由なだけでなく、肉の形状も自由。「挽いた肉」にこだわる必要はありません。

たとえばプーリア地方の特徴的な具材(?)はブラチョーレ(インヴォルティーニ。肉巻き)。ブラチョーレは南イタリアの郷土料理です。薄切り肉に葉野菜やハーブ(セロリの葉っぱ、イタリアンパセリなどお好みで)とすりおろしたチーズなどを巻いてフライパンでしっかり焼き、その後トマトピューレで煮込みます。

ブラチョーレはそのままセコンドにできるし、肉の旨みがたっぷりあふれ出たソースはパスタと和えて食べられます。

プーリア滞在中、尊敬する「料理の師匠」がブラチョーレを教えてくださったんですが、「へぇ〜!こんなラグーソースもありなのか!」と感動しました。

これが師匠のブラチョーレ。シンプルだからこそおいしさがより実感できるっていう、イタリアらしい料理です。

ブラチョーレのおいしさがしみこんだソースはみんなで手打ちしたオレキエッテ&トロフィエにかけて。一石二鳥のブラチョーレ♡

■Ragu alla Bolognese(ボロネーゼ)のレシピをチェック!

お店によって、家庭によって、いろんなレシピが存在しそうなラグーですが、やはり日本で一番有名なのはボローニャ地方のRagu alla Bolognese(ボロネーゼ)でしょう。キドウエ家のレシピを確立する前に、もちろんボロネーゼもチェックしないと。

ボローニャのボロネーゼ(発音はボロニェーゼに近いです)は、ソフリットした香味野菜(玉ねぎ・にんじん・セロリ)、大きめに挽いた牛肉、赤ワイン、トマトピューレを煮込んで、仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりかけます。

使うパスタはスパゲッティではなく、Tagliatelleタリアテッレ。本場では、小麦粉(デュラム・セモリナではなく軟質の小麦粉)と卵でつくる生タリアテッレが使われます。

●伝統的なRagu alla Bologneseのレシピ動画を見てみましょう。

Burro(バター)を使うのが北イタリアっぽいですね。南ならオリーブオイル。ラードもけっこう使われます。ソフリットにはオリーブオイルを使い、仕上げにバターを加えてコクを加える人もいますので、このへんはお好みで。

■Ragu alla Napoletana(ナポリ風)も要チェック!

続いて、Ragu alla Napoletana(ナポリ風ラグー)を見てみましょう。

ボローニャのボロネーゼとは少々違い、肉を大きめに切って強火でジューッと焼いてから赤ワインとトマトソースで煮込む、という作り方がナポリ風。

ちなみにナポリのラグーは「ナポリ風ジェノヴェーゼ」とも呼ばれます。普通はジェノヴェーゼというとバジルを使った「ペスト・ジェノヴェーゼ」ですよね。ナポリではラグーなんですって。ややこしい!けどおもしろい。

ナポリ風は香味野菜のソフリットは入れないことも多いですが、玉ねぎはたっぷり。肉は牛すね肉、サルシッチャ、骨付きスペアリブなど旨みの出るものをお好みで。日本だとおいしいサルシッチャが入手しづらいので、パンチェッタは必ず入れましょう。さきほどのブラチョーレはナポリでもよく食べるそうです。

●ごろっと大きいお肉を贅沢に使うIl ragù napoletanoの動画をチェック!

パスタの種類はボロネーゼほど厳密ではありませんが、太めの筒状パスタ、リガトーニなど、ショートパスタのほうが主流です。パッケリとかね。ソースもそうですが、パスタの種類も把握しきれないくらいに存在していて、地域性が明確なのもイタリアの特徴です。ホントおもしろい!

※そうそう、なんとサイゼリヤでも「ナポリジェノベーゼ」が食べられます(期間限定です)。エリコイダーリというショートパスタが使われています。玉ねぎの甘みが効いていてなかなか美味。ちょっと塩気が足りないけど、そこは足せばいいかな〜と。なにしろ安いので気軽に試せますよね。

そして、わが家のラグーソースが完成した!


肉の街のお肉屋さんで食べた猪ラグー。本当においしかった。
師匠に教わったブラチョーレのソース。目からうろこだった。

いろんな経験を通じて学んだこと、それは「ラグーソース=牛か豚のひき肉」じゃなくていいんだな、という、おそらくイタリア人にしてみたら「あったりまえじゃん!」なことでした。

とはいえ、猪やウサギを家庭料理で普通に使うのは東京ではハードルが高すぎますよね。

なので、わが家のラグーソースは牛や豚を使うけど、「ひき肉」ではなく、ゴロゴロのお肉を使うことにしました。

かたまり肉をハンドチョップするんです。 え?そんなのメンドクサイ!と思いますよね?

でも、実際やってみると、そうでもありません。
ゴロゴロ肉なのでそんなにがんばって小さくする必要はないし、あのおいしさを知ってしまうと、もうひき肉には戻せません。そのくらい、本当〜においしいんです。

ちなみにわが家では夫と息子がハンドチョップ係。夫いわく「よく切れる包丁を使うのがポイント」だそう。しっかり包丁を研いでから臨みましょう^^

牛の場合は赤ワイン、豚の場合は白ワイン。どちらにもパンチェッタは必ず入れます。大好きなプーリアの街に想いをはせながら、パスタは手打ちのオレキエッテ。

キドウエ家のレシピ、Orecchiette al Ragu、完成です。

●キドウエ家のゴロゴロ牛肉のラグーソース、レシピはこちらから!


追記:猪による里山被害が増えてるといいますが、日本でも猪ラグーが広まってほしいな〜。私も以前、いただきものの猪肉をラグーソースにしましたが、ホントおいしかった!

2020-01-14

■ローマのカルボナーラがおいしい理由

ローマに行ったらどうしても食べたいもの。Spaghetti alla Carbonara。
中西部のラツィオ州、中でも首都ローマを発祥とするパスタ料理です。
パスタの種類は太めのスパゲッティ、もしくはRigatoniリガトーニ

「炭焼き職人風」という名の通り、仕上げの黒胡椒は必須ですが、日本人が間違えがちな「おいしさの秘訣」はむしろそこではなくて。

店によって、マンマによって、細かいレシピは違うけど、「ここは絶対変えちゃダメ!」という材料があります。
そこが変わっちゃうとそれはもうCarbonaraじゃないのです。

でも、正しい材料さえ使えば決して難しくはない。それがポイント。
どうせ同じくらいの手間はかかるので(といってもすっごく簡単だけど)、
本当においしいカルボナーラを作ったほうがいいじゃないですか!

●ローマのカルボナーラを家庭で再現できるレシピはこちらからどうぞ!

■ローマの名店「ロショーリ」での感想

ローマの「ロショーリ」で食べたカルボナーラの特徴を一言で言うなら、

今思い出すだけでもワインが進むくらい、濃厚でしっかりした塩気。
肉がうまい。チーズがうまい。そして香りがめっちゃいい◎。

・・・一言じゃなかった(笑)

ローマの名店「ロショーリ」。元々サルメリア(生ハムやサラミなどを扱う専門店)なので、カルボナーラのグアンチャーレがおいしいのなんの! あの芳香、あの旨みはベーコンでは出せません。そもそも私、ベーコンは好きなんですよ。でもベーコンでは絶対にCarbonaraにはならない!


ロショーリに対するわが家的な感想としては

・カルボナーラってチーズ料理だったのかっ!というくらいペコリーノロマーノの量がハンパない
・ここにのっかっているグアンチャーレを追加でください!と言いたいくらいに肉の食感と味と香りが最高
・もし生クリームを入れて作ったとしたら「え?日本では生クリーム入れるの?なんで?なんのために!?」とローマ人に突っ込まれそうなくらい、それだけで濃厚、クリーミー

というところでしょうか。

時差ボケで眠すぎた息子。テーブルに突っ伏して寝ていたのに、カルボナーラが来たとたん、そのルックスと匂いで覚醒し、「おいしい、おいしい」と何度もつぶやきながら完食。

☆☆☆「ロショーリ」のカルボナーラを紹介しつつ、
「ローマのカルボナーラはなぜおいしいのか?」をまとめています。
ご興味ある方はこちらもぜひ〜☆☆☆

■カルボナーラに必須の材料1:肉はグアンチャーレ

まずは卵じゃないの? そう確かに。

でも、カルボナーラを誰がどう作っても卵だけは絶対に使うはずので「間違えそうなポイント」という意味ではあとまわし。
※もちろん重要な材料なので、卵についても後でふれますね。

その前に、肉のこと!
ベストな材料はグアンチャーレです。
が、日本だとやや入手しにくいので、その場合はパンチェッタでもOKです。
ちなみに、グアンチャーレもパンチェッタもハーブと一緒に塩漬けした豚肉を長期間熟成させたもの。
違うのは部位。グアンチャーレは頬や首の肉、パンチェッタはバラ肉(三枚肉)です。
いずれも一般的なベーコンとは全く違う旨みと風味がありますが、グアンチャーレのほうがより濃厚でコクがあります。

こちらはパンチェッタ。焼いただけてもおいしいです。パンチェッタなら「成城石井」「ナショナル麻布」「紀ノ国屋」なんかで売っています。ナショナル麻布なら、グアンチャーレを扱っているときもあります。量り売りでかなり安い!もしくは、イタリア食材専門店「ピアッティ」もおすすめ(生ハムなどもいろいろ美味です)。パンチェッタを使うだけでソースは本当においしくなるのでぜひ!


「ロショーリ」に行かないまでも、たとえば銀座の「ジャッジョーロ銀座」でカルボナーラを食べてみると、「なんていい香りなの〜!」とびっくりするはず。

この香りの正体、なんだと思います?
もちろん「卵が生臭くない」「チーズの香りがすばらしい」というのは重要なのですが、豚の脂のよい香りがするんです。

グアンチャーレもパンチェッタも旨みがぎゅっと濃縮しているので、弱火でじっくりカリカリになるまで炒めることで、い〜いダシが出ます。

この香りと旨みがカルボナーラソースには欠かせません。
何度も言いますが、ベーコンでは絶対にダメなんです。

こちらは「ジャッジョーロ銀座」のカルボナーラ。以前、レシピを取材させていただいた際に夫が撮影しました。

■カルボナーラに必須の材料2:チーズはペコリーノ・ロマーノ

「カルボナーラってチーズ料理料理だったのか!」と思ったくらいチーズがたっぷりかかっていた、という話をしましたね。

トッピングだけでなく、ソース自体にチーズがたっぷり入っています。

イタリアはおいしいチーズがとっても安い。
ケチる必要がないので、「塩気はチーズだけでつけてるんじゃないかしらん」というくらい、びゃっびゃっ!と片手いっぱいのチーズをかけてる様子も目にします。いいな〜。

日本だとなかなか「とにかく大量に!」というのは難しいですが、やっぱりケチったらカルボナーラにはなりません。そして、チーズの種類にも絶対にこだわるべきです。

(わが家でも、ローマのカルボナーラと同じくらいの量のチーズを使ってカルボナーラを作ってみたところ悶絶級に美味でした!
なので、カルボナーラをつくると決めたらケチらずにチーズを使っています)

正しい材料はペコリーノ・ロマーノ
ペコリーノは山羊の乳のチーズのこと、ロマーノは「ローマの」という意味。
カルボナーラはローマ料理ですから、これじゃなきゃダメなんです。

ペコリーノ・ロマーノはチーズにこだわった店なら比較的入手しやすいので(値段も手頃!)、世界一おいしいカルボナーラを目指して、ぜひぜひ買ってみてください。
※どうしても手に入らないときはパルミジャーノ・レッジャーノでも代用可。
でも、wikipedia↑にもちゃ〜んと書いてあるけど、クラフトのパルメザンチーズは絶対に違いますよ。あれはダメ!

ペコリーノ・ロマーノもパルミジャーノ・レッジャーノも、あの美味しさを考えたら、ぜんぜん高くないんです。
パスタやスープやサラダの仕上げにかけるのはもちろんですが、スライスしてそのまま食べても、サンドイッチにしても美味なので冷蔵庫に常備してはいかがでしょう?
本気でおすすめ!

ペコリーノ・ロマーノは羊なので「クセがあってニガテ〜」と思う人もいると思います。
(私もふだん羊のチーズはほとんど食べません)
けれど、ペコリーノ・ロマーノとカルボナーラの相性は唯一無二。
あの独特の香りがカルボナーラをよりおいしくするんです。

ちなみに、ペコリーノというのはイタリア産 羊のチーズの総称です。
なので、ロマーノじゃなくてほかのペコリーノが入手できれば、日本でつくる場合にはもちろん問題ないと思います!

ローマ人は誇りを持って「絶対にペコリーノ・ロマーノ!」と主張するでしょうけどね。

そういうこだわりと郷土愛、大好きです。

■カルボナーラに必須の材料3:良質な卵の黄味

卵は基本的に黄味だけを使います。

でも、たとえば先述のジャッジョーロ銀座でシェフに伺った際は「うちの卵は黄味だけだと濃厚すぎるので、全卵で作っています」と教えてくださいました。
なるほど!

「ジャッジョーロ銀座」のカルボナーラは、「こだわり家族のこだわり卵」を全卵で使っているそう。

わが家でカルボナーラをつくるときは、身近な店で買える「いちばん良質そうな卵」を選び、基本的には卵黄だけを使っています。

ただ、人数分×卵黄、ではなく、
たとえば家族3人分のカルボナーラを作る際は
卵黄3個分+全卵1個、など様子を見て調整しています。

ちなみにイタリアの卵は、レモンイエローでした。
いかにも「黄味」という感じの(昔は日本もそうでしたね?)。
だから、ローマのカルボナーラは黄色です。

日本は最近、濃いオレンジ色が「上質」というイメージがあるのか、昔より明らかに色味が濃く(オレンジ系に)なっていますね。

ちなみに黄味の色は、にわとりたちが食べるエサの影響です。
私の実家(山口の田舎です)でも、父が元気だったときには烏骨鶏などを飼っていましたが、鶏たちには畑でとれた野菜(の中の人間の残り物^^)をあげていたので、季節によって黄味の色がビミョウに異なっていたものです。

いずれにしろ、どんなに「良質」なものでも、卵って安いよなぁと思うんです。
手間暇かかっているのに。
なので、カルボナーラの卵はケチらずいいものを使いたいですね。

■仕上げにブラックペッパーをたっぷり!

「炭焼き職人風」に仕上げなくちゃいけませんから、黒胡椒はたっぷりどうぞ。

■ローマのカルボナーラをめざして、レシピが生まれた

ローマのカルボナーラは本当においしかったです。
日本でも、その伝統とこだわりに敬意を払って正しく作れば、「ロショーリの味を完全再現!」・・・とはいかなくとも、かな〜り近づきます!
間違いなく、「わが家の自慢料理」のひとつになりますっ。

みんなに食べて欲しいと思えるカルボナーラ。
息子の世代に受け継ぎたいレシピ。ローマ人に敬意を払いつつ大切にしたいです。

●カルボナーラのレシピはこちらからどうぞ!

ローマの下町「トラステヴェレ」のリストランテでもカルボナーラを頼んだ息子。ここでも「このお肉がおいしいんだよね」と。幸せすぎて目が開いてないけど。