食べたり作ったり。食卓を少しだけ変えていくお手伝い
matricariaは、渋谷駅から徒歩10分の住宅街にある古い木造の家です。
築50年以上の古民家をフルリノベーションして、白い空間にしました。
住人は、おいしいものが好きなライター・エディター(私)と
コマーシャル・フォトグラファー(夫)です。
味にウルサイ料理好きな息子(小学生)が1人おります。
3歳からドリップを修行(?)している息子が珈琲を淹れたり。
映画に出てくるサンドイッチを食べながらその映画を観たり。
料理教室で、エッグベネディクトやバリ風サテを作ったり。
ステキな誰かとイベントしたり。
おいしい写真のプロである夫に写真を教わる教室を開いたり。
新しいレシピを開発したり。
イベント、教室、はたまた、ひたすら食べるだけの会。
matricariaに来ればおいしい何かが待っている──そんな空間と時間を提供いたします。
木戸上かおり
Kaoli Kidoue
クッキングインストラクター・料理家/ライター・エディター/一児の母。
東京外国語大学インドネシア・マレーシア語学科出身。学生時代から旅が大好き。
書き仕事では、シェフやレストランの取材、食にまつわるエッセイをはじめ、インテリア、コスメ、子育てなど暮らしまわりを中心に執筆。料理好きがこうじて、妊娠中に「クッキングインストラクター」の資格を取得。「本気の家庭料理」「世界のおうちごはん」「子どもと一緒につくる粉モノ」「休日のじっくり料理」「ごちそうサンドイッチ」などのテーマで料理教室やイベントを開催する。大の旅好きでもあり、行った先で必ず現地の料理を習う。スーツケースいっぱいに食材を買って帰り、フォトグラファーの夫とともに本場のおいしさを再現するのがライフワーク。とくに好きな旅先・料理は、バリ島やマレーシアの現地料理、プーリア州(南イタリア)の家庭料理。サントリーニ島(ギリシャ)で食べた魚介たっぷりパスタや、台湾の葱抓餅、ハノイのバインミーのおいしさも忘れられない。生まれ故郷・山口県の日本酒をこよなく愛し、ワインやウイスキーやカクテルも好き。人生の楽しみは「お酒とごはんと家族と旅行」。好きな言葉は「ダシがきいてる」「お酒に合う」「塩加減が最高」「野菜最強説」「がっつりお肉」、警戒する言葉は「薄味」。最近、味噌作りも始めた。
3歳の誕生日に料理で息子を 泣かせてしまったあの日から・・・
わが家には、料理にまつわる忘れられないエピソードがあります。
私にとっては、「料理をおいしく作らなきゃ」という原動力にもなっている出来事。
ちょっとだけご紹介させてください。
あれは、息子が3歳になった日のこと。
1歳も2歳も誕生日のお祝いはしていましたが、3歳になったちょうどその日は仕事が忙しく、誕生日当日はレストランの予約も、自宅でのケーキも用意していなかったんです。
もちろん、週末にはしっかりお祝いするつもりでいました。
「まだ、誕生日がいつだとか正確な日にちまではわかってないだろうし、週末にちゃんとお祝いしてあげればいいよね」と高をくくっていたんです。
そして迎えた誕生日の夜。
保育園から帰ってきた息子を囲み、夕食はstaubでグリルしたチキンでした。
ハーブ塩で味を付け、ポテトと一緒にパリッと焼き上げたこのチキンは、食が細かった息子の好物のひとつではあったのです。
実際、「ごちそう」と彼は呼び、普段から喜んで食べていました。
「ほーら、今日はトッキーの好きな“ごちそう”だよー」と言いながら、いつものように夕飯を食べ終えました。
が、寝る前になって息子がさめざめと、静かに泣いているではありませんか!
「ト、トッキー! どどどどどうしたの!?」
びっくりして抱きしめると、しくしく泣きながら
「トッキーね、ケーキとごちしょうがあるとおもったの。おたんじょうびだから。ろうしょくたてて、ふーってしゅると思ったの」
責めるでも、おこるでもなく、さめざめ、しくしくと、悲しんでる・・・
3歳の、この世の何より大切なかわゆい息子が、悲しんでる、、私のせいで・・・・・・!
そのかわいらしい、舌っ足らずな言葉を聞きながら、私が後悔の念にかられて号泣したのは言うまでもありません。。。
今でも泣けます。。。
この文章を書いてるだけで泣いてます。。。
ごめんよぉおおおおおおおおおお!!!!!
「大切な日」は食と共に 子どもにとっても大人にとっても、
3歳だから当日じゃなくていいよね、ケーキがなくてもいいよね、というのは私の勝手な思い込みでした。
息子は保育園で、先生やお友達から「今日はお誕生日だね!おうちでケーキが待ってるね!」とお祝いしてもらっていたんだと思います。
もう、今思い返してもなんてバカなことをしたんだわたし!
と自責の念にかられるばかりでございます。
以来、息子の誕生日には必ず、彼のリクエストそのまんまのケーキを作っています。
でも、もし3歳になったあの年、市販のケーキを買って、パーティらしい飾り付けをしておけば、少なくとも息子が悲しむことはなかったはずなんです。
大切なのは、「いつもと違う特別感」。
いくら好物だとしても、いつも通りのものをいつも通りに食卓に出しちゃったら、そりゃ誕生日らしさはないですものね。。
お店のおいしいケーキは私もたくさん知っているけれど、あえて手作りにこだわるのは、3歳の息子を泣かせてしまった私のせめてもの罪ほろぼし。
というか、私なりのこだわり。ママの愛情アピール♡です。
息子も10歳になり、学校のお友達を招いてパーティをやりたがるようになったので、今では「誕生日の週の土曜日にケーキを作ろうね」など、日にちをずらして約束しています。
が、今では私が作るチョコレートケーキは彼にとって「必須」なので、これだけは絶対に欠かせません。
誕生日の食卓にケーキとごちそうがあり、みんなが笑顔でお祝いしてくれる。
必要なのはその経験。「食」って、思い出なんですよね。
ケーキを作ってあげたい! レパートリー、増やしたい!
私はふだんライターや編集者の仕事をしていますが、同時にクッキングインストラクターの資格も持っています。
食べること、作ること、食べてもらうことが何より好きなので、いろんな料理を作ってはみんなに食べてもらったり、作り方を聞かれれば大喜びで教えたりしています。
そうこうするうちに、いろんな「声」を聞くようになったんです。
「子どもの誕生日パーティを開くんだけど、本人から“ママの手作りケーキが食べたいって言われちゃった。でも、ケーキなんて作ったことないし・・・」
「友達を自宅に呼びたいけど、料理のレパートリーが少ないからどうにかしたい。簡単なのにおいしくて、“わーすごい!”ってほめられるレシピを知りたい!」
「子どもの食育のために一緒にごはんやお菓子を作ってみたいけど、どうせなら私も一緒に楽しみながらお料理を学べないものかなぁ?」
「普段は忙しくて何も作れないけど、週末だけでも家族が喜んでくれる簡単でおいしいもの、作れないかなぁ」
わかるわかるわかる!
ケーキ、作ってあげたいよね? レパートリー、増やしたいよね? 週末だけでもいいから、ちゃんとご飯を作りたいよね?
そして、
「この家、カフェにしてよ!そうしたらいつだって来られるから!」
「何でもいいからおいしいお料理、食べさせて♡」「作り方をちゃんと教えてほしい!」
「私は作れないから、代わりに息子の誕生日ケーキを毎年作ってほしい!」
と言ってくれる友達もいました。
それを聞いて「お、それは楽しそう!」と思いました。
とはいえ、本気でカフェをやるとしたら、本業をやめて、損益分岐点を計算して・・・なんてシビアに考えなきゃいけない。
もっと気軽に、もしも店でやったら大赤字になりそうな素材も使ったりして「おいしい食事」「おいしい思い出」を家庭で作れるように、レシピやアイデアをみんなと共有できたら幸せだなぁ、と思ったんです。
それが、matricariaで料理教室やイベントを始めたきっかけです。
matricariaで仕事の打ち合わせをすると、昼間っからワインや生ハムが勝手に出てくる、とクライアントさんにも好評なのだとか、そうでもないとか・・・?
お問い合わせ・ご相談はこちらからどうぞ☆
マトリカリア
東京都渋谷区東1丁目4
お問い合わせ・ご相談はこちらからどうぞ