2021-01-15

息子がコーヒーをドリップするようになったのは3〜4歳の頃。

挽き立ての豆に鼻をくっつけんばかりにして、「ニオ〜イ♥︎」(←いい匂い、の意)とスーハーするのが大好きで、「トッキーもやってみる?」と声をかけたのが始まりでした。

■ドリップ歴7年目の10歳男子、Tokiwa Cafeを始める。

その後も毎週のようにパパとママのコーヒーを淹れてくれ(まだ自分では匂いを嗅ぐだけ)、ドリップ歴も7年目をこえた10歳のある日から、息子が店主をつとめ、お客様を迎える「Tokiwa Cafe」を不定期で行うようになりました。

ドリッパーは「Stussy」、サーバーは「Kinto」。Kintoはとにかくカタチがかっこいい!
けど容量を示す目印がないので(スケールで測るタイプね)、油性ペンでラインを入れてますw
下に敷いてるニットは私が編んだやつ。

ちなみにStussyのドリッパーは台形なので、もうひとつ円錐形も持っています。
店主、豆の種類や気分によって使い分けているようです。


本当においしいスペシャルティコーヒーを自宅でじっくり味わう。
チョコレートのケーキやバターのきいたクッキーがお供にあれば最高。
自分で淹れるのも楽しいけれど、誰かが丁寧に淹れてくれたらなお嬉しい。

Tokiwa Cafeは、そんな「みんながちょっぴり幸せになる、休日の理想」を追求するのが目標です。

お出しするコーヒーは毎回2種類。
ロースト違いだったり、ドリップ+カプチーノだったり、シェケラート2種だったり。

わざわざいらしていただくからには、ぜんぶ真剣、ぜんぶ本気。
コーヒーはもちろんですが、おつけするおやつも本気で開発していますっ。

たとえば日焼けした店主がお相手した夏のTokiwa Cafe Vol.4では、
ドリップコーヒーを淹れてから急冷させるアイスコーヒー+シェイカーでつくるシェケラートに、「コーヒーに合うごはん」としてスパイシーなドライカレー。


「キドウエ家で朝食を」をテーマにしたVol.5では、店主も私も夫もパジャマでお迎え。店主のめちゃくちゃな寝ぐせも好評でした(笑)。

直近ではVol.8。クリスマス直後だったので「ヘクセンハウス」をおやつにお出ししました。
コーヒーは「石かわ珈琲」のシングルオリジン「リントンマンデリン」と、イタリア人の家庭には必ず1台はあるという「マキネッタ」。

まずは店主の大好物であるマキネッタ。Tokiwa Cafeでは初披露です。

ちなみにマキネッタはエスプレッソ(カッフェ)を愛するイタリア人が考え出したもの。
簡易版なので厳密にはエスプレッソとはいえませんが、豆の選び方はエスプレッソに準じます。
(つまり、正解は「シングルオリジン」ではなくアラビカ種とロブスタ種のブレンド。イタリアのロースタリーのものを買うのが間違いありません!)
※マキネッタの豆についてはまた別の機会に〜。

つづいてドリップコーヒーをヘクセンハウスとともに。

ヘクセンハウスの中には小さな「プレゼント」を仕込んでおきました。

店主の通う小学校のかわいい後輩ちゃんも来てくれました。

そして、このかわいい後輩ちゃんのママが大のコーヒー好きで、マキネッタをいたく気に入り「買います!」とのことでした^^

●こちらは2カップ用。小さめをお探しの方におすすめ。

●ビアレッティ以外のメーカーもおすすめです。こちらはペゼッティ。

●キンボのエスプレッソ粉

■コーヒーのおいしさを決めるもの

ドリップコーヒーのおいしさは「7割が生豆で決まる」と言われています。
次の要素として大きいのは「焙煎」です。

つまり、飲む側の私たちとしては「良い生豆・良い焙煎」のコーヒー豆を買えばいいだけなんです。

間違いないのはスペシャルティーコーヒーの先駆者・堀口俊英さんが代表を務める「堀口珈琲」の豆です。
堀口さんたちが厳選輸入する生豆を仕入れて焙煎している店も間違いありません。
※目安として、堀口さんが主宰するLCF(リーディングコーヒーファミリー)加盟店を探すとよいかも。
こちらに、一部ですが一覧が載っています!

とはいえ、LCFグループでも店によって「焙煎の違い」が当然あり、わが家のお気に入りは北鎌倉の「石かわ珈琲」
堀口さんの元でしっかり修業された石川さんが店主をつとめ、もちろんLCFの一員です。

北鎌倉にある店舗も素敵だし、通販で買うのもおすすめ。
(2袋までならメール便でOK。4袋買えば送料無料!)

■おいしい珈琲の条件をまとめると・・・


・「良い生豆・良い焙煎」のコーヒー豆を見つける
・豆のまま買う
・飲む直前に挽く
・好きな道具で楽しく淹れる

「道具」にこだわるのは楽しいのでおすすめですが、最初の「良い生豆・良い焙煎」の豆が入手できなければ、残念ながらおいしさは頭打ち。

そして、おいしい豆を見つけたらぜひ「挽き立て」で味わいたいので、「豆のまま」買って、「飲む直前に挽く」。

そこで必要になるのはコーヒーグラインダー(コーヒーミル)です。
コーヒー好きなら持っておいて損はありません。
せっかくのいい豆も挽いたそばから劣化(酸化)が始まるので、挽き立てが俄然おいしいんです。

※ただし、「もともとの生豆がよくないコーヒーを豆で買って挽き立てで飲む」のと、「粉にしてもらって買ったハイエンドのスペシャルティコーヒー」、どちらがおいしいかというと、ハイエンド(LCFとかね)のほうがやっぱりおいしいです(←試しましたw)。
粉で買う場合はなるべく早く飲みきりましょう。

●わが家の愛用品・手動のミルなら「ポーレックス」

かなり均一に挽けます。ガリガリとのんびりやりたい人に。
キャンプやピクニックなどアウトドアに持参するにも便利です。

●わが家の愛用品・電動なら「Kalita ナイスカットミル」

これを買うまでポーレックスでガリガリやってましたが、電動はやっぱり便利♥︎

息子の後ろに写っているのがナイスカットミル(写真右端にオーブンレンジ、その隣はソーダストリーム、その隣がナイスカットミルです)。わかりやすい写真がなくてすみません。

うちはシルバー一択でしたが、ブラウンのほうが安いみたいですね。

●スペシャルティコーヒーのことがよくわかる1冊

●珈琲に合うお菓子のレシピも!広く深く楽しめる1冊

■Tokiwa Cafe 、高校生までは続けます(たぶん)

10歳が淹れるスペシャルティコーヒー、というキャッチコピーでスタートしたTokiwa Cafe。

このイベントをきっかけに初めてお会いできた方、なつかしい面々、アメリカからかけつけてくれた旧友、毎回必ず来てくれる店主の大親友など、いろいろな出会いやエピソードが生まれています。

今では毎回このポットを使って淹れています。


そんな店主もいつのまにか12歳になりました。


20歳でコーヒー淹れても普通すぎるから(笑)、中学生か高校生くらいまではやってみたらどうかな?と母は勝手に期待しています。

またのお越しをお待ちしております♥︎


2021-01-03

テーマは「ご当地食材とチーズ」

チーズフェスタ主催の「チー1グランプリ」に初挑戦し、準グランプリをいただきました。

過去最高の応募数の中、関東甲信越ブロックの代表2作品に勝ち残ったというご連絡をいただいただけでも小躍りしたのに、準グランプリにまで!ありがとうございます。

2020年のテーマは、ご当地食材とチーズを組みあわせたオリジナルレシピ。

東京のご当地食材として「江戸味噌」を選びました。プレゼンターの峰竜太さんも試食され、「江戸味噌って私も始めて聞いたよ。江戸の食材再発見だね。味噌とチーズのバランスがいいよ」という嬉しいコメントをくださいました。

そう、この料理、ワインが進んで進んで困るヤツです♥︎

「江戸味噌」ってどんな味噌?

東京の「ご当地食材」ってなかなか難しいですよね〜。チーズと組み合わせるという大命題があるし、「せっかく作るなら、今後も末永くウチの定番料理になるような本当においしいのを作りたい!」と思いました。

いろいろ考えているうち、思い浮かんだのが「江戸味噌」だったのです。江戸味噌なら「チーズの添え物」ではなく、対等に主役を張れる!と思いました。

「江戸味噌って何?」と多くの方は思われると思います。食通の峰竜太さんも「初めて知ったよ」とおっしゃるくらいですから。じつは、長年その存在が埋もれていただけで、名前の通り「江戸」を発祥とする歴史あるお味噌なんです!

数年前、恵比寿ガーデンプレイス内のマルシェで初めて知り、「甘味の強いおいしい味噌だなぁ」と思ったものの、そのあとは出会うこともなく。でも最近、「東京江戸味噌」という暖簾のかかった、こじんまりと素敵なお店を広尾で発見し、江戸味噌に再会したのでした。

江戸味噌と合わせたのはゴルゴンゾーラ

江戸味噌+チーズ。発酵食品同士なので相性がよさそうなのは直感しましたが、ひとくちにチーズといっても数え切れないほど種類があるし、調理法も多様。はてさて、この江戸味噌の特徴をさらに活かすには・・・?

せっかく伝統のある味噌を使うのだから、やみくもな創作料理ではなく、伝統にのっとっていて奇をてらわず、なおかつ新鮮みのある“新しい定番”を作りたい。と思いました。

江戸味噌の風味を活かし、かといってチーズが脇役になることもない。そんな組みあわせとして浮上したのがイタリアのゴルゴンゾーラ。フランスのロックフォール、イギリスのスティルトンと並ぶ「世界三大ブルーチーズ」です。青カビ特有の香りと風味を有しながらも比較的クセの少ない、取り入れやすいブルーチーズだと思います。

イタリアにはもともとゴルゴンゾーラのクリームソースをからめたパスタがあります。ゴルゴンゾーラと生クリーム、バター、塩、黒胡椒だけのシンプルで味わい深いソース。ペンネやニョッキとの組みあわせをよく見かけますよね。

そんな「正統派のパスタソース」を下敷きに、江戸味噌を組みあわせ、さらに「おいしい具材」として舞茸を取り入れ、たっぷりの黒胡椒をかけてみたら・・・

う、う、う、う、、うまいっ! めちゃくちゃおいしいんです、これっ!


このソースだけでも十分なおいしさなのですが、そこに舞茸を入れることで、キノコの旨みやコリッとした食感もプラス。それぞれが個性的でありながらすべてがマッチする組みあわせになったと思います! 

パスタは、リガトーニを選んでみました。太めで食べ応えがあり、濃厚なソースがしっかりからみます。大きめに手でさいた舞茸の大きさとリガトーニの大きさがちょうどいいバランスなので、食べやすい(フォークで取りやすい)のもポイント。

では、レシピです!

「舞茸のリガトーニ」レシピ

材料(4人分):

ゴルゴンゾーラ(ドルチェ)120g
江戸味噌 大さじ 3 
牛乳 300cc
パスタの茹で汁 100cc程度(様子を見ながら)
生クリーム 50cc
舞茸 1株
黒胡椒 適量
イタリアンパセリ 適量
リガトーニ  約300g(一人につき70~80gぐらい)
塩 適量

作り方:

1)リガトーニを茹でるお湯をわかし、塩を適量加えておく。

2)深めのフライパンか鍋に牛乳を入れて弱火にかけ、1cm角ほどに刻んだゴルゴンゾーラを入れる。
江戸味噌も加え、みそ汁にお味噌を溶く要領で、木べらで混ぜながらゴルゴンゾーラと味噌を溶かす。

お湯がわいたらパスタを茹で始める。
※茹で時間は表示時間マイナス1分程度が目安。

3)ソースに舞茸を手でさいて入れ、しばらく弱火で加熱する。
途中、水分が飛んできたらパスタの茹で汁を適宜加え、とろみと塩気を調整する。
最後に生クリームを加えてひと混ぜしたら火を止める。

4)茹で上がったリガトーニの水気を切って3)に入れ、やさしく和える。皿に盛り、黒胡椒とイタリアンパセリを散らしたら完成。

そうそう、そうだ、大事なことをもうひとつ。ゴルゴンゾーラは「ピカンテ」ではなく「ドルチェ」を使っています。その情報もお伝えしておきますね↓

■食材情報★ゴルゴンゾーラ/江戸味噌

今回のレシピでは、青カビが少なく(青緑のマーブルがまばら)、風味もクリーミーでやわらかい「ドルチェ」(甘い)のゴルゴンゾーラを使用しました。

「ピカンテ」(辛い)のほうがピリリと刺激的なのでゴルゴンゾーラの個性をより表現できるかな?とも思い、まずは両方で試してみましたが、江戸味噌の上品な風味に合わせるにはドルチェがベストでした。

●今回のパスタソースにはドルチェがおすすめですが、ピカンテはそのままクラッカーにのせてはちみつやジャムと合わせると立派なアンティパストに(赤ワインとめっちゃ合います♥︎) 
まずは両方食べ比べてみては?

そして江戸味噌は、米麹を贅沢に使って仕込まれるフレッシュな甘口の味噌です。
独特の上品な甘味とコクをぜひ店頭で味見してみてください!

東京江戸味噌 広尾本店
東京都渋谷区広尾5-1-30

江戸の街で売られていた味噌(江戸味噌、江戸甘味噌、田舎味噌、仙台味噌)を100g単位で量り売りしてくれます。試食しながら好きなお味噌を選びましょう。ちなみに今回のレシピで使っているのは「江戸甘味噌」ではなく「江戸味噌」です!