1本で味が決まる。これを使えば劇的においしくなる。
そんな醤油を紹介したいと思います。
仕事柄いろんな醤油を試しましたが、今回紹介するのは常に置いている選りすぐりの一本です。
あまりにおいしいので、料理教室にいらした方には、その日教えるメニューとは関係ないのに「この醤油、ちょっと味見して!」とお豆腐にかけて出してみたり。
友達への手土産に、「お菓子」+「関係ないけどこの醤油も」と持参したり。
一度この醤油を知った人はほぼ確実に、リピ買いしてますね。
私はいつも「だよね♡だよね♡」とガッツポーズ。
おいしいものを分かち合えるのってホント幸せです。
鹿児島の人なら誰もが知ってる「かねよ」のお醤油、その名も「母ゆずり」。
「醤油は西へ行くほど甘くなる」と言われますが、母ゆずりは甘め醤油の中でぴかいちおいしい。
原料が最高級とか製法が唯一無二とかではないんですよ。
なんといいましょうか、「お母さんがいつも使ってる、あの味」的な、安さと間違いないおいしさを兼ね備えたお醤油なんです。
「甘い」だけではなくて、「旨み」を感じるので、本当にこれ1本で味が決まっちゃう。
何年も使っていますが、いつも「すごいなぁ」「ありがたいなぁ」と思っています。
鹿児島の物産館などでも買えますが、なかなか行けないので、最近はもっぱらAmazonで。
送料とのバランスを考慮すると、3本まとめ買いするのがお得です。
3本届いたら、2本は常備スペースに入れておきます。が、わりとすぐに使ってしまいます。
Amazonの評価にも
「20年前 鹿児島の友人からいただき それから我が家はこの醤油オンリー!
刺身、お寿司はもちろんのこと 醤油を使う料理はこれじゃないと なにか物足りない!になります」
「九州味の醤油を求めて、やっと辿り着いた醤油です」
「煮物などで使用しています。みりんもあまり使用せずいい味が決まります。
照り焼きなどはこれ一本で味が決まり、とても便利です。」
などなど、頷いてしまう高評価がずらり。
「私は他の醤油は食べられません。
ずっと 母ゆずり濃い口を使ってます!」
↑これ「あれ?私が書いた?」と思ってしまったくらい、激しく同意。
とはいえ、母ゆずりだけですべての「醤油」をまかなっているわけでもありません。
基本的な味付けはほぼ「母ゆずり」だけど、「きりっとした醤油感がほしい」というときは関東の濃口醤油を使います。
たとえば、塩とかオイルとかを使い分けてる人ってけっこういますよね。
わが家も、塩は粗めの岩塩、細かめの海塩、ハーブ塩、お土産でもらったちょっといい塩などなど、いくつか使い分けてるし、油はオリーブ、米、ごま、グレープシードの4種を、酢は米、アップルサイダー、バルサミコの3種を常備しています。
醤油だって、料理に合わせて使い分けることで、手間は一緒なのに俄然味が変わってくるのは当然ですよね。
一般的なレシピだと「醤油」としか書いてないですが、そこで「鹿児島の甘い醤油」を使うか「関東の一般的な醤油」を使うかで、仕上がりは全く違ってくるんです。
なので、私の料理教室では、単に「醤油」と書くことはなくて、九州の甘い醤油がいいのか、普通の濃口がいいのか、はたまた中華の老抽なのか、明確にお教えしています。
もちろん味見もしてもらうし、どこで買うのがお得か?にも言及します。
そこを省いてしまうと、「料理教室で習ったのに、家で作ったら違う味になっちゃったよ」ってことになりますから。
さて、ここで再度、「母ゆずり」の魅力/使い方をあらためてご紹介したいと思います!
●牛肉のマリネ
牛の赤身をかたまり肉で買ってきて、すぐできちゃう。そしてめっちゃおいしい一品です。
ちなみに、
DHCの「オリーブオイルを使った料理コンテスト」でグランプリをいただいたやつです。
フライパンにオリーブオイル少々を熱して牛肉の表面を焼きます。
※表と裏だけでなく側面も。色が変わればOKなので、焼きすぎに注意!
ななめにスライスしたら軽く塩・胡椒。はい、もうお皿に並べてオッケー。
オリーブオイルとお醤油たっぷり。
バルサミコ酢とはちみつを加えてもいいんですけど、「母ゆずり」だけで十分おいしい♡
いやはや、最高の前菜です。
●牛さし
牛肉をもう1品。
これはもっとストレートに醤油のうまさが堪能できます。
マリネと同様、表面(4面すべて)を焼いた、中身レアレアの牛肉。美しい〜♡
これをすすっと薄切りにしたら、「母ゆずり」とわさびを添えて食卓へ。
これがもう、、、言葉を失う絶品っぷり。
魚の刺し身ももちろんそうなんですけど、これを「普通の濃口醤油」でやったら、たぶん息子は食べません。
ていうか、私と夫も猛抗議ですねw
丑年の幕開けにつくった「赤べこ押し寿司」にも、もちろん「母ゆずり」を添えていただきます。
目玉がマヨネーズになってて、醤油と合いますよ、これw
●3日間漬け込む絶品唐揚げ
最近「何が食べたい?」と聞くと中学生の息子は必ず「唐揚げ」と答えます。
もともとは「揚げ物大好き」というタイプではありません。
食も細いほうかな?
でも、「母ゆずり」としょうが・にんにく〈どちらもチューブでオッケー〉たっぷりと、香り付けの紹興酒を入れて3日以上漬け込んでおく「わが家流唐揚げ」を確立してからは、とにもかくにも唐揚げを所望するように。
近所のスーパーでもも肉はいつも100g138円なんですけど、これがたまに100g93円とかになるんです。
そうなったら4枚以上買ってきて、まとめて下味。
だから、息子が食べたいタイミングというより、スーパーで底値になったら漬けるって感じ。
買ってきてから揚げるまでに3日は置くので、まさに「待望の」ですね。
なんなら1週間置いてもオッケーです。
でもこれ、普通の醤油だとどうしても塩味が強すぎて、下味つけて置きすぎると、「入れ過ぎちゃった!」「時間置きすぎちゃった!」ってなることも。
その点、「母ゆずり」は多少多く入れても、漬け込み期間が長くても、おいしさが増すだけで、「しょっぱい」ということにはならないんです。
そういう意味でも、味のベースづくりに向いています。
もちろん、仕上げのかけ醤油にも。
ほかにも、炊き込みご飯とか郷土料理とか、いろいろ使ってます。
キハダまぐろを「母ゆずり」とごま油で漬けにしておき、うすぎりのアボカドと一緒に丼にするやつもお気に入りです。
もみのりと煎りごまをかけるのもお忘れなく。
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一家に1本、「母ゆずり」。
心の底からおすすめします。