■友人の竹林で「たけのこ掘り」
田舎の盆地で生まれ育った私にとって、「春のたけのこ掘り」は毎年当たり前に繰り返す日常のひとつでした。中学生ぐらいになると掘るのには飽きて、食べるだけでいいのに!と思ったりもしましたが。
息子はたけのこ掘り未経験。「ボクもやってみたーい!」と小さい頃から所望していましたがなかなかチャンスがなく。昨年から、知人の竹林にてたけのこを掘らせてもらえることになりました。
2回目となる今年は、去年の経験があるし、本人的にも体力・筋力がついてきたので、大きなたけのこをたくさん収穫!
■下茹でしてアクを取ったら、まずはわさび醤油でお刺身を
せっかくの掘りたても、放っておくとたちまちえぐみが増えてしまいます。一刻も早く下茹でせねば! わが家にある大きい鍋3つを総動員し、米ひとつかみ(米ぬかの代わり)とタカの爪も加えて、水から加熱。沸騰したら弱火にして1.5〜2時間茹で、たけのこがやわらかくなったら火を止めて、そのまま冷めるまで放置します。
そ・し・て!
まずはお刺身。わさび醤油でシンプルに味わいます。えぐみなんて全くなく、ほんのり甘くておいし〜い! さすが掘りたて!!
本当は『美味しんぼ』で観たように、下茹でもしないそのまんまの状態で味わいたいところですが、そこまでやるにはまだ地面から顔を出していないたけのこを掘り当てて、竹林で速攻食べるくらいでないとやはりえぐみが・・・(私が小さい頃、ばあちゃんや両親はそんな風にして食べていたそうです)。
でも、下茹でしただけでそのまんま食べられるだけでかなりの贅沢。自分で掘らない限りなかなか味わえないおいしさです。
■揚げたそばからつまみ食いが止まらない「磯辺揚げ」
ナポリでは、ピッツァの生地で魚介をフリットにしたものがストリートフードとして大人気で、みんな気軽に食べ歩いています。
同様にピッツァ生地を使った定番おつまみとして「ゼッポリーネ」があります。何かの具を包むわけではなく、ピザ生地(強力粉+薄力粉、ドライイースト、塩)に生の岩のりを混ぜて発酵させたものを丸め、カリッと揚げたシンプルなもの。青のりの香りと生地の食感、ほどよい塩気がクセになるおいしさで、私の大好物なんです。
そのゼッポリーネをたけのこの天ぷらにも応用。平たくいえば「磯辺揚げ」ですけどねw
ナポリにも同じような「青のりの揚げ物」があるなんて面白いですよね。
イタリア人にもたけのこの磯辺揚げ、食べさせてあげたい!
生地を一から作るのは大変なので(あのガリッとした生地でたけのこを揚げるのも絶対おいしいと思うんだけど)、市販の天ぷら粉に粉末の青のりを加えて使用。
サクッと揚がったら塩を振りかけていただきます。簡単めちゃ旨っ!
思い返せばこの食べ方、実家の母がたけのこの季節によくやってくれたんです。
わが家は兄弟そろって「磯辺揚げ」が大好きだったので。
■イタリア人にも食べさせたい!バター醤油たけのこペンネ
こちらも「イタリア人に食べさせてあげたい」シリーズ。つまり、それくらいおいしいんです♥︎
たけのこ掘り初挑戦だった昨年、息子が自分で味付けして完成させたバター醤油のたけのこペンネ。これがびっくりするほどおいしくて、きっと今後も毎年必ず作る定番パスタになりそうです。
詳しいレシピはこちらからどうぞ。
■パルミジャーノとイタパセを散らしたたけのこのリゾット
もうひとつイタリア風のリゾットも。ペンネとほぼ同じ材料でできます。
「たけのこリゾット」はこちらのレシピもチェックしてみてください。
■「たけのこご飯」がやっぱり最高!
パスタもリゾットも絶品に違いないのですが、やっぱりねぇ、一種のノスタルジーなんでしょうか、たけのこご飯は一枚も二枚も上手。
田舎育ちの私にとっての「春」といえば、つくし、ぜんまい、蕗、たけのこなど、毎日おばあちゃんと一緒に、それこそイヤになるくらいに(笑)、裏山の身近な恵みを収穫していたものです。山菜や蕗はどうも苦手だったけど、今食べると「今だけ」のありがたさと、苦み走った独特のおいしさを感じますね。
おばあちゃんがよく「大人になったらねぇ、こういうのもおいしゅう感じるんよ。いまは苦いじゃろうけどねぇ」と言っていたけれど、本当じゃねぇおばあちゃん、と思います。
でも、子どもの頃からたけのこだけは好きじゃったよっ! とくにたけのこご飯ね。うん、これはもう、日本人みんなのノスタルジーなんでしょうね。